2016年 02月 11日
廊下も、れっきとした建築空間です |
大きな住宅は別として、普通、住宅を設計する際、
コペンハーゲン近郊にある、 ルイジアナ近代美術館の廊下です。 展示室から次の展示室に渡る廊下ですが、 屋外に一回出たような錯覚に陥ります。
コルビジェの設計した、マルセイユのユニテ・ダビタシオンの廊下です。 住居空間がメゾネットになっていますので、 廊下は2層の吹き抜け空間になっています。
フランスのル・トロネ修道院です。 アーチ状の連窓の開口部から入る光が石に反射し、 石造建築の中に柔らかな空間を作り出しているように感じました。
コルビジェの設計した、ラ・トゥーレット修道院の廊下です。 近代建築の5原則の中で言われている、リボン窓です。 リボン窓はファサードの話として見がちですが、 廊下に沿って作られたリボン窓は、 光と影を直線的に作り、 かつ、廊下の持つ直進性を際立たせているように思いました。
コペンハーゲンの宿泊したホテルの廊下です。 別段、有名建築ではありませんが、 廊下幅の狭さと、その先に見える非常口からの光、 そして、各部屋扉前の天井灯。 なんだか、究極の廊下空間を感じてしまいましたので、 思わず、パシャリ、とシャッターを切ってしまいました。
なるべく、廊下に割く面積を小さくして、居室を広くしたくなります。
また、日本の昔の住宅の原型は、田の字型プランと言い、
部屋と部屋が、建具を仕切りとして繋がる間取りでした。
よって部屋を繋ぐ廊下は存在しませんでした。
あるとすれば、外側に面して廊下があり、
この廊下は、通路と言うよりは、
まだ硝子戸が存在しない時代の、
室内に吹き込む雨をしのぐバッファーゾーンでした。
でも、建築として廊下を考えると、
その廊下の存在は、空間の有り様として捨てがたい物があります。
実は写真の配列ですが、
外との繋がりが、下の写真に行くにつれて少なくなります。
開口部と廊下の直進性、
開口部から侵入する直射光と反射光、そして影。
建築として、色々なことが読み取れてきます。
なんだか、マニアックな話になってしまいましたね。
これも、職業病と思って下さい。
by bleis
| 2016-02-11 11:26
| 建築