2015年 12月 15日
トイレだって、仲間です。 |
トイレ、便所、お手洗い、ご不浄、はばかり・・・・。
日本には、トイレのことを、様々な言い方で表現します。
若い方には、ご不浄、はばかり、は通じないかもしれませんね。
欧米では、住宅のトイレのことを、洗面浴室と共にサニタリーとも呼び、
トイレ単独の場合は、化粧室を兼ね、パウダールームとも言います。
日本の「ご不浄」は、不浄の場所と言ったニュアンスが強く、
ネガティブな印象を受けますが、
欧米の「パウダールーム」は化粧直しをする場所として、
ポジティブな感じがします。
前近代、下水道の設備が整うまでは、
日本では、人糞を肥料として集約的に貯める必要があったため、
トイレが必要となりました。
西欧では、人糞を肥料として使わなかったことから、
寝室の片隅に置かれた座れるカメに用を足し、
翌朝、その中身を外に捨てていました。
・・・・ベルサイユ宮殿やシェーンブルーン宮殿でも、便所はありませんでした。
よって、中世以降都市化が進む中で、黒死病(ペスト)が大流行したわけです。
まあ、講釈を述べれば、トイレには、そんな歴史的な背景がありますが、
住宅を建てる際、まだまだ、清潔ではない場所と言った印象が強いようです。
サニタリーとは「衛生的な」と言った意味があるように、
水洗が当たり前になった今、
トイレは他の部屋と同じように、衛生的な場所としての作りをしたいものです。
トップライトからの反射光で、明るいトイレになっています。
手前の手洗いコーナーとトイレとの間の壁から、引き戸が出てきて仕切れます。
天井は、湿気に強い檜板張りです。
便器の左横には便器掃除用具を仕舞っています。
開き扉にすると便器が邪魔するので、扉は手前に引き寄せることができます。
便器上のリネン収納の大きさ、鏡の大きさや位置が違います。
リネン収納を小さくしていますが、可愛い小さな額が掛けられています。
鏡の手前の小さな棚を、窓のほうまで流しています。
トイレは排泄する場所、
そうであれば、なおさらのこと、奇麗に室礼を施したいものです。
奇麗な場所であれば、奇麗に使うようになります。
我が家ではほとんど、トイレの扉は開けっ放しです。
トイレだからといって、仲間はずれにはしていません。
by bleis
| 2015-12-15 15:38
| 暮らしから考える家