2016年 08月 13日
手摺は、接続部位が命 |
旅行に出かけると、建築に目がいきますが、
ウィーンのセセッション館のメイン階段です。
手摺バーの持ち出しのディテールです。 手摺の丸鋼を角鋼で受けており、 壁との取り合いは、丸形プレートとしています。
素材は同材としながら、 それぞれの働きに応じて、形状を分けているところが素敵ですね。
木の丸棒の手摺を、 壁から飛び出したスチールで受けています。 壁から飛び出したフラットバーと、手摺から飛び出したフラットバー、 その間に、円形に加工したフラットバーを直行させていれ込みました。
手摺と建物本体にズレのある受け材です。 木部から出ている受け材は、フラットバーを寝かせており、 手摺バーから出ている受け材は、立てています。
手摺の水平材と垂直材を繋げていますが、 手摺の丸棒より小さなサイズの丸棒を、つなぎ材としています。 鉄材を使わず、全ての材料を木にしています。
斜材と水平材をあえて分節させており、 その繋として、丸鋼の水平材を繋ぎ材として入れ込みました。 そのことで、一体感を作りだしています。
手摺材を受ける壁がありませんので、 スチール材を立ち上げて受けとしました。 ただし、その受け、 床から立ち上げてしまうと手摺の浮遊感が無くなるので、 最下段の蹴込みから持ち出すようにしてみました。
階段の手摺は斜材となりますが、 行って来いの踊り場では、垂直・水平材が絡んできます。 水平材、垂直材、斜め材を連続させて、 一つの手摺として繋げています。
職業柄、階段の手摺など、特に詳細部分に引き寄せられてしまいます。
自分の設計する建築に、さすがにそのまま当てはめることは出来ませんが、
そのディテールの考え方を想像し、
そこから自分なりのディテールを作りだすように心掛けています。
と、言う具合いに、その時の状況に応じて、
素材や形状、そして、その繋げ方を考えながら手摺を設計していきます。
ここまでくると、仕事と言うより趣味の世界に近づいてしまいます。
by bleis
| 2016-08-13 12:32
| ブライシュティフト住宅設計