2016年 08月 27日
三井のリ・ハウス〜 |
最近、ボ〜としながら見ていたTVのCMに目が釘付けとなる。

写真右側が居間、左側が食堂です。 居間と食堂は腰高の収納で仕切られており、 居間の方が2段分下がっています。

障子を閉めた状態ですが、 下がり壁がなく、床から天井までの開口部であることが、 より明快に伝わります。 実はそのことによって、 開口部と言うよりは、面として表現し、 シンプルな室内空間を作りだしています。

品のよい端正なエレベーションです。

徹底的に図面でプロポーションを検討したのでしょうね。
2階部分が食堂ですが、 天井の高さは、おおよそ2m20㎝程度だと思いますので、 2段下がった居間の天井の高さは、 2m50㎝弱、程度ではないでしょうか。
と言うよりは、障子の縦方向の割り付け寸法で、 二部屋の天井高の差が作られていると思います。 食堂は、8分割、居間は9分割になっています。
そうなりますと、障子の高さも2m50㎝弱、程度となるわけです。
え!本当?・・・嘘でしょ。
そのCMの後に「三井のリ・ハウス〜」と流れるではないか。
女優の樹木希林が、孫娘にしか見えないおばあちゃんとして、
ある住宅の中に出てくる。
その住宅、吉村順三設計の「湘南茅ヶ崎の家」。
竣工が1967年なので築49年、
伸びやかな間取りを持った家で、
私としては、彼の住宅作品の中で、かなり高感度の高い1軒でもある。
居間と食堂の開口部に特徴があり、
TV番組の「美の壷」にも、「障子」と言うタイトルで出てきています。





どちらにしても、三井のリ・ハウスのCMに、
吉村順三設計の住宅が出てくるとは思わなかったが、
住宅の空間として、質の高い家が登場することは、
住宅文化の質の向上を考えたとき、
とても好ましいことだと、納得してしまいました。
by bleis
| 2016-08-27 15:26
| 住宅